伝統的な木造住宅を再現/かたあきの里完成
生活体験できる「小集落」
先導的モデルハウス 風通る涼しい家
宮古島の伝統的な木造住宅を最新技術で再現した家屋での生活体験ができる施設「赤瓦集落・かたあきの里」(垣花優子代表)の落成式と祝賀会が9日、同施設中央広場で開かれた。多くの関係者が集まり、鏡開きなどで完成を祝った。落成式の前には内覧会も開かれ、来場者に家屋の造りなどが公開された。
同事業は、木造住宅が人にも地球にも優しい住宅であることを、より多くの人に伝えることが目的。国土交通省の2008年度超長期住宅先導的モデル事業に採択され、国からの補助を受けて、すべて木造の宿泊体験棟6、管理棟1の計7棟からなる「小集落」を整備した。通気性や遮熱性を工夫することで冬は温かく夏は涼しい構造に。木は山形県産で樹齢約85年の「金山杉」を使用、屋根には在来の沖縄赤瓦を乗せた。
宿泊体験棟は、定員1~2人(1泊2万円)が1棟、2~3人(同2万8000円)、8人(同4万円)が各2棟、12人(同8万円)が1棟。家財道具も備え付けられている。
落成式では垣花代表が「かたあきの里は、木造住宅の魅力を広く知ってもらい、普及を進めることが目的で、地球環境に優しく、経済性や機能面でも優れた点が数多くある」と紹介するとともに、事業に携わった関係者に感謝の思いを述べた。
来賓祝辞では長濱政治副市長が「蒸暑地域にふさわしい建物の一つのモデルハウスとして、ゆくゆくは東南アジアにもモデルハウスとして紹介したい」、設計などに携わった独立行政法人・建築研究所の研究員で筑波大学大学院の岩田司教授は「世界最先端の技術で建築した、風が通る涼しい家。宮古を世界に広げていきたい」と語った。
祝賀会では、垣花代表や長濱副市長らによる鏡開きで施設の落成を祝ったほか、ステージではさまざまな余興が披露され、祝いの席を盛り上げた。
内覧会では、設計を担当した一級建築士の伊志嶺敏子さんが来場者に、さまざまな工夫が施された屋内を紹介した。
きょう10日とあす11日の午前10時~午後3時には完成一般見学会が行われる。
問い合わせは、かたあきの里(電話73・5338)まで。