下地ヒロ子さん県知事賞受賞/婦人の主張中央大会
難病乗り越え上布体験発表/宮国三代子さんは努力賞
【那覇支社】県婦人連合会(平良菊会長)主催の第45回「婦人の主張中央大会」が19日、那覇市の琉球新報ホールで催され、宮古地区を代表して大会に出場した下地ヒロ子さん(57)が見事、県知事賞を受賞した。下地さんは「夢をあきらめず七転び八起き」と題して発表し、膠原病、重症筋無力症の二つの難病を抱えながら国の重要無形文化財である宮古上布の制作に取り組んだ体験を原稿にしたため、同大会で堂々と発表した。また、同地区から出場した宮国三代子さんには努力賞が贈られた。
同大会は山積するさまざまな社会課題に対し、女性の立場や視点から、自ら学習し実践を重ねた体験などを基に意見を発表し合うことによって、自らの能力開発、女性の地位向上、婦人会組織の活性化に資するとともに、真の男女共同参画社会の実現と調和のとれた活力あるふるさとづくりを目標に毎年開催している。
今大会には沖縄本島4地区(北部、中部、南部、那覇)と宮古、八重山の計6地区から12人が大会出場し意見発表を行った。宮古地区からは下地さん、宮国さんのほか、砂川さゆりさんが原稿参加した。
主催者あいさつした平良会長は「継続は力なりで回を重ねるごとに社会状況を的確に捉えた題材と内容は聴衆に深い感動と示唆、勇気を与えるものとなり、発表力も年々向上している」と述べ、発表者を激励した。
下地さんは二つの難病に負けることなく、周りの仲間に支えられながら織り上げていく宮古上布に寄せる思いや、制作工程ごとに沸き上がる自らの感動を表現。「これから先も自分に負けず自分を輝かせ共に社会に貢献していきたい」との思いを込めて発表を締めくくった。
県知事賞受賞後、下地さんは「うれしいの一言。まさか自分の体験で素晴らしい県知事賞を受賞できるとは夢のようだ。自分のつたない文章で少しでも勇気を与えることができたならば、こんなにうれしいことはない」と受賞の喜びを述べた。