農作物被害3億300万円/台風17号
キビは2億8900万円/葉の裂傷、全域で確認
宮古島市(下地敏彦市長)は29日午後、台風17号の農作物等被害状況(速報)を発表した。基幹作物サトウキビの被害が最も大きく被害率は4・4%、被害額は2億8900万円だった。農作物等全体では3億300万円の被害があった。台風の暴風を受けてサトウキビは宮古全域で横倒しとなり、葉の裂傷が見られた。今後の塩害も懸念される。ただ、懸念された梢頭部折損などは少なく、台風の勢力から当初予想された被害額を大きく下回った。
市農林水産部のまとめによると、植え付け体系ごとにみるサトウキビの被害率は春植え4・3%、夏植え4・2%、株出し5・2%。被害額は春植え1650万円、夏植え2億2300万円、株出しは4900万円だった。
市は「春植え、株出しともに、ある程度成長していたために被害が最小限に抑えられた」と説明。夏植え圃場のサトウキビも葉の裂傷は全体で見られたものの台風の速度が増したことで梢頭部の折損が少なく、「被害は少なかった」とした。
ただ、今回の調査結果に加えていない新植夏植えの被害を懸念。農林水産部の村吉順栄次長は「一部で茎が折れてしまっている圃場があったほか、冠水している圃場のサトウキビの発芽が気になる」と話した。
農家への呼び掛けとして下地市長は「塩害被害を抑えるためにも除塩作業に努めてほしい」と述べた。
そのほかの農作物被害をみると、野菜が合計で420万円の被害があった。オクラの被害が最も大きく136万円、ネギが30万円、ニガウリが11万6000円、トウガンは25万9000円の被害。果樹の被害額はバナナが520万円、パパイアは332万円だった。