伝統ミャークヅツ始まる/池間、佐良浜、西原
男性中心の祭り、クイチャー奉納
■池間島最大の祭祀「ミャークヅツ」の初日、男女の踊り手たちが水浜広場で二重の輪になって、クイチャーを奉納。ツカサンマや元ツカサンマ12人が扇で広場を清め、その外側を法被に身を包んだ男性たちが囲み、豪快なクイチャーで会場を沸かせた。
参加した全員が「ヒヤサッサ」の掛け声で歓喜の踊りを体全体で表現した。ミャークヅツは池間島の4カ所のムトゥ(元家)を中心に3日間行われる。数え55歳の32人が新会員として迎えられた。
自治会長の奥浜正美さんは「台風で準備ができなかったことと、停電でやきもきした。後2日間安全に実施できるよう願っている」と話した。
新会員の仲地勇人さんは「新会員が少なく、2年生、3年生が手伝ってくれるので楽をしている。長老になるまで参加して伝統を継承していきたい」と語った。
■佐良浜では、本村ジャー(旧池間村)と中村ジャー(旧前里村)に分かれ、男性は躍動的に踊り、女性は優雅に舞った。男性たちの「ヒヤッ、ヒヤッ、ヒヤサッサイ」の掛け声が勇ましく響いた。
男性が中心の祭り。新会員は、本村が数え47歳の15人、中村ジャーが数え50歳の21人。二つの新会員らは、それぞれそろいの衣装を身にまとい参加した。新会員の後ろからは、同窓生の女性たちが続いた。男女共に息の合った踊りで喜びを分かち合った。
新会員で参加した友利克信さん(47)は「朝から準備に追われ、着替える暇もなかった。先輩たちに仲間入りできて、とてもうれしい。ミャークヅツは素晴らしい文化なので、来年も参加したい」と感想を話した。
■平良西原のミャークヅツは30日、「あら日」と呼ばれる初日を迎えた。早朝からナナムイら西原の男性が仲間御嶽に集まって酒を酌み交わし、祭りの開始を祝いながら地域の発展を願った。西原のミャークヅツはきょう1日の「中の日」が本番、男たちが部落内をパレードする。
この日は午前8時から開会行事があり、佐久田盛光字長らがあいさつしてミャークヅツの開会を告げた。
ナナムイのニガイウヤを代表してあいさつした仲間洋三さんは「朝早くからこれだけたくさんの人がミャークヅツの願いに来てくれてありがたく思う。今年は分村138年目であり、復帰40年の節目の年。みんなが幸せな気分でいられることがうれしい」と話した。
きょう1日の「中の日」は午前5時からマスムイ行事が行われ、午後からパレード、奉納相撲、全員によるクイチャーが行われる。