新植キビの発芽懸念/台風17号
流動土、ほ場埋める/沖糖 表土を耕す対策提案
台風17号は、植え付けたばかりのサトウキビの苗を、強い風と雨により流動した土で埋める爪痕を残した。表面の土は、瓦状に固まり発芽への影響が懸念されている。そうした中、沖縄製糖宮古工場は3日、畝間の堅い土を耕運機で砕く対策を提案した。表面の土を砕けば呼吸に必要な空気が土中に入り、苗の発芽や地上に芽を出したキビの分けつをも促進すると推測している
最大瞬間風速74・1㍍を観測した2003年9月の台風14号(マエミー)の時も、同様な被害が発生した。
沖糖によると、台風の翌年春に収穫したキビ(2003-04年期原料)の平均反収は6・9㌧と平年作の8㌧と比べ約1㌧の減産。植えて間もないころに被害を受けたキビ(04-05年期原料)は、5・8㌧と大きく落ち込んだ。
同期の10㌃(約1反)当たり収穫茎数は5600本と、平年の7000本を1400本(20%)下回った。発芽率が低く、分けつも少なかった。
古謝宏信農務課長は、植え付けを50%程度終わったころに襲来した台風14号と比べて、今回は90%程終了した時点での襲来のために、被害面積が大きくなった点を懸念する。
対策提案の実演は①苗が土中に埋まっている圃場②母茎が20㌢程度地上に出ている圃場-の2カ所で行った。
①の畑では、畝間にブルトラを入れ10㌢程度の深さ(苗の上5㌢程度)までロータリーを入れ砕土②では、ロータリー中央部の歯を外して、母茎の両側の土を砕いた。ロータリーの深さは、畑の状態に応じた適切な判断が求められるとしている。
同工場の台風前の12-13年期原料茎は13万㌧を予想。台風後は5460㌧(4・2%)減の12万4540㌧に下方修正した。