鋼製人工魚礁を製作/宮古島市
継続総事業費は1億2000万円
市が、小魚の大群の漁場となる沈設の鋼製人工魚礁(別名パヤオ)3基の製作を急ピッチで進めている。漁獲された大群は、カツオ一本釣り漁船に活き餌として活用される。これまでに9基設置され、今回の3基を含めた12基の継続総事業費は1億2000万円。今後のカツオ漁業の振興に期待が寄せられている。
国の漁村地域整備交付金で実施される。目標は、就労環境の改善と水産物の高付加価値化による漁村の再生。総事業費1億2000万円のうち、国が75%、県・市が12・5%ずつ負担。この事業は今年度で終了する。
カツオ漁の生産安定のための餌の確保としての漁場造成が目的。近年、近漁場でのカツオ漁に活用される餌の漁獲量が減少しているため、遠方で操業。漁場造成により漁船航行時間の燃料軽減および就労環境改善と水産資源の確保、漁獲量の向上が図られるとしている。
鋼製人工魚礁は、四角錐の台状構造。底辺四方11㍍、高さ3・8㍍、上辺四方6・6㍍。内部は中2階の構造で設計され、四つのますの中には玉石が敷き詰められる。玉石には海藻が着生し、稚魚の餌としての機能を発揮する。日中、ますの下が日陰になることから、稚魚の群れの保育場となる。対象魚種は、テンジクダイやタカサゴ幼魚、スズメダイ類など。
3基は、宮古本島北部と伊良部島間の水深20㍍ほどの海域に沈設される。佐良浜の漁師らは、来夏から小魚の群れを網漁で定期的に水揚げし、カツオ一本釣り漁船に供給する。資源管理型漁場の形成を目指す。