マンゴー栽培技術を底上げ
県・市・JAが現地指導/JA集荷一元化
県、市、JAが今年4月から連携して取り組むマンゴーの10月度現地検討会が24日、マティダファーム(上地克冶代表)=上野大嶺=であった。参加者は農家約15人と県、市、JAの職員5人の計20人。農家は今の時期に行う枝の誘引の仕方などを学んだ。
同現地検討会は、栽培技術の底上げによる、宮古産マンゴーの全体的な品質向上を目的とする。
毎月3カ所で開き、これまでに開催したハウスはカ所。参加者は月平均50人で、合計約300人に上った。
3者が連携する取り組みの背景には、マンゴー産地が全国的に広がり、産地間競争が激しさを増すと予想される中で、高品質商品の生産による生き残りが求められていることがある。
2011年の宮古の生産量は500㌧余だが、関係者らによると流通ルートは、農家が独自に開拓した個人やスーパー、デパートなどとの直接取引が約7割、市場出荷が約3割を占めるという。
行政は14年ごろには生産量が約900㌧になり、これに伴い市場出しが大幅に増えると予想し、今後の安定的な販売を課題視。現地検討会は、品質レベルの高いマンゴーを、市場出荷を主にするJAに一元集荷し、ブランド化に持っていくことも視野に入れている。
宮古島市は、栽培面積が70㌶と全国一広く、生産量も全国一多い。一人の農家は「宮古には適地適作という言葉が当てはまる。宮古のマンゴーが他産地に負けることはない」と自信を見せた。マティダファームの上地代表も生産量の約9割が直接取引。各農家には今後とも、個人による販路開拓の努力も望まれそうだ。
誘引の実技指導は、同ファーム農場長の山里邦博さんが行った。真っすぐ伸びている枝をひもで引っ張って、横向きに低くする誘引作業は①花の出の促進②太陽光線を葉や果実に満遍なく当てる-などを目的とする。
農薬散布については、JAの与那覇英人営農指導員が「防除ではなく、予防のイメージで行うのが望ましい」と助言。「これからの剪定は、開花に影響するので行わないように」と注意を促した。