佐和田さん最優秀賞/伊良部トーガニまつり
特別賞に奥平君(東小5年)
伊良部に古くから歌い継がれている民謡の歌唱力を競い合う「第12回伊良部トーガニまつり」(主催・同実行委員会)が26日夜、平成の森公園の特設会場で行われた。月光の下、歌い手14人が、哀愁のこもった恋の叙情歌「伊良部トーガニ」を情感たっぷりに切々と歌い上げた。審査の結果、伊良部トーガニ部門で最優秀賞に伊良部出身の佐和田方恒さん(65)=糸満市=が輝いた。特別賞に最年少の奥平乙斗君
(10)=平良、東小5年=が選ばれた。
オープニングは、地元の太鼓集団「新風太鼓」の勇壮な演舞で幕開け。力強い連打が会場に響いた。
出場者らは着物で着飾り、三味線の伴奏に合わせて男女の情愛を表現した即興的な叙情歌を繰り広げた。観客らは、感動した様子で大きな拍手を送っていた。
セレモニーでは、伊良部・佐良浜保育園の園児63人が、元気いっぱいに伊良部トーガニを合唱。観客らは、後継者の活躍をたたえ目を細めていた。
次いで伊良部小学校5~6年生計52人が、三味線の伴奏に合わせて息の合った伊良部トーガニを披露。伸び伸びとした歌声と三味線の音色に、観客らの視線はくぎづけされた。
長濱政治副市長と市議会の平良隆議長が祭り開催を喜び、出場者らを激励した。
佐和田さんは「素晴らしい伊良部トーガニを、これからも広めたい」、奥平君は「本番では練習より上手に歌えた」とそれぞれ感想を話していた。
祭りは、先祖が残した大事な文化遺産である伊良部トーガニの保存と継承を図りながら、祭りを定着させて伊良部観光の振興に寄与するのが目的。今回は好天に恵まれ、4年ぶりに野外で開催された。島タウガニ部門は、諸事情で取り止めた。