行政との連携研修実る/県保育士会宮古支部
先進的取り組みと高評価/全国大会で事例報告
県保育士会宮古支部(黒島由美子支部長)のメンバーが29日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長を訪ね18、19日に鳥取県で開催された「第46回全国保育士会研究大会」に参加したことを報告した。九州・沖縄地区代表として取り組み事例を報告した内容が「先進的な取り組み」として高い評価を得たことを説明。下地市長は高評価を受けたことを喜ぶとともに、さらなる保育士の資質向上に向け、市もこれまで同様に取り組んでいく姿勢を示した。
下地市長は「県の研修大会をぜひ宮古で開催するよう呼び掛けてほしい。研修が宮古で開催できれば多くの保育士が参加できて資質の向上が図れるので検討してほしい」と述べた。
黒島支部長は「大会で報告した私たちの事例は、先進的な取り組みとして高い評価を受けた。特に行政のバックアップについては多くの人が高い関心を持っていたので、これからも支援と協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
大会では、瑞慶覧定代さんと砂川ルミ子さんが「保育士のスキルアップ研修のあり方と連携」のテーマで報告した。
研究の狙いは、社会環境の大きな変化の中で発達障害を含むいわゆる「気になる子」がクローズアップされ、配慮を要する子どもと親の育ちに早期対応の必要性があることから、保育士がスキルを身に付けるとともに、共通理解や連携の在り方についても深めていくことも目指して、行政と連携したスキルアップ講座を実施してきた。
さらに、スキルアップ講座の研修を受けた保育士が市の職員の面接を受け、学んだこと感じたことなどを報告するほか、各保育所に持ち帰り、園内研修につなげたことが保育士全体の資質向上になったことなどが説明された。
市は今年度、一般財源から約380万円の予算を計上し取り組みを支援してきた。メンバーからは来年度以降も行政の積極的な支援と協力が呼び掛けられた。
同大会は全国から保育士が集まって、さまざまな実践を通して研究してきた内容を発表し学び合う場で、宮古からの報告は今回が初めて。
発達障害 幼児期から青年期にかけて表れる先天性の脳機能障害。自閉症やアスペルガー症候群、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などがある。症状の程度はまちまちだが、人との適切な距離を保てず、相手の感情を推し量ることが苦手な傾向にある。