宮古島市 来年度予算5%削減
交付税減に危機感/職員に編成方針説明
宮古島市(下地敏彦市長)は6日、下地農村環境改善センターで市職員に来年度の予算編成方針を説明した。2016年度から5年間で段階的に引き下げられる地方交付税に対応するため、対前年度と比較して5%削減する方針を示した。今年度一般会計当初予算(345億円)で見ると約17億円の削減となる。歳出を抑制し、貯金を積み立てる。安谷屋政秀総務部長は、財政不足で今後とも厳しい財政運営を強いられることを強調。「最終的には給与の削減になる」と述べ、各部署に危機感を持って予算編成に取り組むよう促した。
国から宮古島市に交付される地方交付税は約120億円。合併特例を受け、旧市町村の人口や面積などで算出されているが、これが16年度から「宮古島市一本」で算出される。財政課では約30億円が削減されると見込んでいる。
削減率は初年度が9%(約3億円)▽17年度7%(約9億円)▽18年度5%(約15億円)-と5年間にわたり段階的に減らされ、18年度には約30億円削減される。
財政課では、11年度の決算では実質収支21億円の黒字を出したが、これは地方交付税が30億円多く交付されているからだと説明。「30億円が交付されなければ9億円の赤字となった」と指摘した。
地方交付税が段階的に削減されるまで残り3カ年だが、市では「この3カ年でどれだけ基金の積み立てができるかで、後年の市民サービスの質と量が決まる」としている。
11年度決算でみると市の財政調整基金(貯金)は36億円となっていることから安谷屋部長は「15年度までに55億円の財政調整基金(貯金)を積み立てる必要がある」と強調した。
予算編成ではそのほか、臨時職員の賃金や職員の出張旅費などの物件費と、各種団体などへの補助する負担金・補助金をそれぞれ5%抑制するよう各部署に求めた。
部長マネジメントを推進し、各部署の部長に対し、もし物件費や負担金・補助金が削減出来ない場合は、その理由を付して概算要求するよう求めるなど、部長のリーダーシップと自主性を持った編成作業を訴えた。
来年度の当初予算は1月30日に1次内示、2月1日に復活要求を経て、同7日に最終内示される予定。