オスプレイ配備 反対決議見送る/九州市長会総会
「沖縄」特記に異論/きょう理事会で再協議
九州118市で構成される九州市長会(会長・釘宮磐大分市長)の第111回総会が7日、宮古島市内のホテルで開催され、都市財政の拡充強化を求める議案など各県提出の15議案を可決した。一方、沖縄への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に反対する決議の採択は見送った。沖縄県に限定したオスプレイ配備の反対や安全保障の観点から異論があり、全会一致の結論には至らなかった。きょう8日に開く臨時理事会で文言を修正する方針だ。
オスプレイ配備に関する反対決議文で、うるま市の島袋俊夫市長は「オスプレイの配備に対する撤回の意思を確認し、国に対して安心を求める声を発信していきたい」と述べ、各県市長に賛同を求めた。
これに対して発言者のほとんどが「沖縄の過重負担は認識している」としながらも、一部の市長は配備反対が「沖縄」に特記されていることや、国防の観点から「ここで議論することなのか」と述べ、決議に賛同しかねる見解を示した。
沖縄の各市長は「私たちはこれ以上の負担は耐えられないということを言っているだけだ。どうか理解をいただきたい」と全会一致の決議を求めたが、意見は平行線をたどった。
最終的に文言を修正して理事会に一任することを確認。きょう8日に開かれる臨時理事会でまとめる。
九州市長会総会の宮古島市開催は初めて。この日は71市の市長が参加した。
総会では、開催地を代表して下地敏彦市長が「景気低迷、災害に対する不安など、昨今の地方自治体を取り巻く環境は厳しい」と指摘。「知恵を出し合いながらさまざまな課題に対して議論の上、解決に向けた実り多い会議になることを期待する」と歓迎を込めてあいさつした。
議案審議の行財政関係では▽都市財政の拡充強化▽合併市町村に関する支援策の充実▽日米地位協定の見直し▽米軍航空機による低空飛行訓練およびオスプレイ飛行訓練の安全性について-を可決した。
新規のオスプレイ関連議案では①十分な説明がないままの低空飛行訓練を直ちに中止すること②住民への影響等について、関係自治体に対する納得のいく詳細な説明なしに飛行訓練を強行しないこと-を求める。
きょう8日は意見交換会や行政視察を行う。