サシバ8620羽をカウント/県自然保護課まとめ
悪天候で過去2番目に少なく
県環境部自然保護課は6日、寒露の10月8日から同21日までの2週間、伊良部島と宮古島で行ったサシバの飛来数調査結果を発表した。カウント数は8620羽と調査を開始した1973年以降、2001年の8386羽に次いで2番目に少なかった。伊良部島で7917羽、宮古島で703羽をカウントした。
飛来数が最も多かったのは21日の2313羽。次いで20日の2325羽、9日の2150羽、19日1108羽-の順に多かった。
台風21号の影響で16~18日の伊良部のカウント数はゼロ。伊良部では調査した14日間のうち、9日間は100羽を下回った。減少の要因に▽台風の影響や大雨▽悪天候で調査がうまくいかなかった-ことなどを挙げた。
サシバは日本列島で繁殖し、越冬のため東南アジアに向かう途中、伊良部島と宮古島で羽を休める。
カウント数の分析からは繁殖地の状況や繁殖の実態、繁殖と人の関わりをある程度推測できるという。
自然保護課によると、野鳥の会は、サシバの休息環境を良くするために止まり木(リュウキュウマツやモクマオ)の保護や植栽を提案している。
調査は宮古野鳥の会(仲地邦博会長)と県自然保護課、宮古島市がタイアップして毎年行い、伊良部中や伊良部高校、宮古島署も参加している。自然保護課は「生徒の参加は、環境教育の面でも意義深い」と評価している。
伊良部島での調査は県自然保護課や市、伊良部中、伊良部高校、宮古島は野鳥の会と市みどり推進課が担当した。