キビ夏植発芽率50%/沖糖管内
大幅減産を懸念/早期の補植呼び掛け
沖縄製糖宮古工場の調査によると今年9月に植えたサトウキビ夏植の発芽率は50%と、台風17号の影響で落ち込んだことが分かった。平年の10㌃(約1反)当たり収穫本数は7000本だが、現状のままだと3500本になり、大幅減産が見込まれるという。同工場は対策として、早めの補植を呼び掛けている。
調査は、沖糖管内(平良、下地、城辺)の38カ所の畑でこのほど実施した。発芽率は最も低い所では、33%だった。
植えたばかりの苗は、9月28日に襲来した台風17号の強い風と雨で流動した土に埋まった。発芽しなかった所の苗の芽は、ほとんどが黒くなり腐った状態。表面に瓦状に固まった土が、土中への空気の流入を妨げ、窒息状態になった推測している。
最大瞬間風速74・1㍍を観測した2003年9月11日の台風14号(マエミー)の時も、同様な被害が発生した。14号の時は、植え付けを済ませていた畑の割合が12%。今回は85%(9月植えは77%)と、被害面積が広大なため、対策がなければ大不作になる可能性が高い。今年の夏植は、1年半後の14年春ごろ収穫される。
補植の品種は、発芽しやすい農林25号を勧める。「植える時は、鶏ふんを入れることで土壌の温度が上がり、発芽と出た芽の生育が促進される」と助言する。
沖縄製糖の砂川玄悠専務は「危機意識を持って徹底的に補植することが、来期に向けては大切」と農家の頑張りに期待した。