TPP阻止向け団結/キビ運動方針説明会
農家所得向上目指し行動
2013-14年産サトウキビの政策および交付金などの価格決定に関する県さとうきび対策本部とJA沖縄中央会の運動方針案の説明会が14日午後、JAおきなわ宮古地区本部大ホールで開かれた。生産者ら糖業関係者が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加阻止をはじめ、糖価調整制度の堅持、適切な交付金水準の設定などの要請内容を確認。TPPへの参加断念要請を基軸に農家所得の向上に向けて一丸となって運動を展開する。要請は今月26日を皮切りにスタートする。サトウキビ価格は12月末に決まる見通し。
要請の重点項目には、TPP、糖価調整制度、交付金関係のほか▽生産者交付金単価における基準糖度帯の適正運用▽甘しゃ糖企業の経営安定対策▽新たなサトウキビ増産対策事業の創設▽サトウキビ生産振興総合対策▽畑作物共済の充実強化-を据えた。
TPPについては、原則として関税撤廃の例外を認めない貿易自由化交渉であるため、「わが国の農業はもとより、沖縄県の基幹作物であるサトウキビ生産に壊滅的な影響を与えることは必至」とし、政府に交渉参加の断念を求める。
TPP交渉に参加した場合、県内農林水産業全体の影響額は1420億円(県農林水産部試算)。サトウキビは関連産業を含めて197億円とされている。
外国からの輸入糖に調整金を課し、これを原資に農家への交付金などで生産者を支援する糖価調整制度の堅持を強調。連動して現在1㌧当たり1万6000円支払われている交付金の水準引き上げについても要望し、サトウキビ生産農家の所得向上に努める。
基準糖度帯の設定が不可欠であることも指摘。同糖度帯撤廃の動きを警戒して重点項目に据え置いた。サトウキビの糖度が収穫時期や気象条件、台風被害で変動することを主張し、同糖度帯の設定は「安定的な所得確保に必要」と訴える。
このほか、土地基盤整備やハーベスターなどの高性能機械導入における予算枠確保なども要請する。
運動スケジュールは、26日に県内、29日から東京都内で団体要請行動を展開する。12月上旬には再び東京で代表要請を行う予定。