22億2300万円を融資/沖縄公庫宮古支店12年度上期
「前向きな動き」と分析/設備資金が「運転」上回る
沖縄振興開発金融公庫宮古支店(喜納兼次郎支店長)は22日、2012年度上半期(4~9月)の融資実績を発表した。それによると融資件数は264件で、前年に比べ88件(25・0%)少なくなった。融資金額は22億2300万円で、同比4億9600万円(18・3%)減少した。昨年5月の台風2号で、甚大な被害を受けた葉タバコ農家への融資が急増した反動で、「農林漁業資金」が106件(87・6%)、金額にして6億2400万円(88・3%)の大幅減となったことが要因。ただ、同資金を除く他の事業資金などの融資実績は18件、1億2700万円増加し依然として底堅い資金需要となった。設備資金が運転資金を上回っていることから同支店では「企業が景気の先行きを見越しての前向きな動き」と分析している。
中小企業等資金の資金内訳では、事業者向けに融資する「中小企業資金」(融資額12億円以内)が5件(3億1000万円)となり、前年に比べ3件、1億1100万円の大幅増となった。
小規模事業者へ融資する「生業資金」(融資額の上限1億2000万円)は、前年度に資金の半分を占めた「マル経資金」(宮古島商工会議所や市伊良部商工会の会員向けの融資で上限1500万円)」が108件、6億5700万円となった。
同資金は前年に比べ件数で24件(18・2%)の減、金額では3億8200万円(36・7%)の大幅減となったが、資金全体では244件、18億3100万円となり、前年に比べ件数で16件(7・0%)の増、金額では前年並みの実績で推移した。
業種別では、災害に当てるための融資が減少したため、その反動を受けた「農林水産業」が前年に比べ6億1900万円(85・0%)の大幅減となったほか、「建設業」も同比1億3600万円(33・3%)減となった。
一方で、「宿泊・飲食サービス業」が、新規開業や宿泊施設の改装に伴う融資などで前年に比べ1億9600万円増加し3億9400万円となったほか、新規医療施設の開業などで「医療・福祉業」が同比約5倍の1億5600万円となった。
融資の構成比が最も高いのは、不動産業の22・8%で、以下▽宿泊・飲食サービス業(17・7%)▽卸・小売業(16・5%)▽建設業(12・3%)-などとなっている。
設備資金の構成比が全体の56・3%となり、運転資金を上回っていることから喜納支店長は「企業が景気の先行きが良くなるだろうと判断しての前向きな投資だろう」と分析。アパートの稼働率の高さ▽格安航空会社スカイマークの就航▽宮古島と大阪を舞台にしたNHK朝ドラ放送の開始-など、景気拡大につながる具体的な動きを挙げ「公庫の支店は県内に四つあるが、その中でも宮古地区は景況感が明るい」と述べた。