炭疽病、県内で問題化/マンゴー栽培講習会
農家が防除方法学ぶ
2012年度のマンゴー栽培講習会(主催・市農林水産部農政課)が27日、JA宮古地区本部の大ホールで開催された。講師を務めた県農業研究センターの澤岻哲也主任研究員は、08年に県内から出荷されたマンゴーに関するクレームの1位が炭疽病の430件、2位が軸腐病の164件だったことを報告。現在、沖縄本島で問題化しているとし、宮古でも早急な対策が必要との認識を示した。
炭疽病の病原菌は、2種類のカビ。菌に感染していても、目に見えないため収穫時に病果を見分けるのは難しい。輸送期間の数日の間に、病状が悪化し果皮が黒くなるという。
菌は果実だけでなく花芽やつぼみ、幼果、地面に落ちた剪定枝、落ち葉などの残渣に潜伏する。
胞子が伝染源となり、水滴で飛散する。高い湿度やビニールの破れが感染拡大を助長する。
防除方法には①マンゴー炭疽病用薬剤の計画的散布②残渣の徹底除去-を挙げた。散布開始時期は、出蕾前を示した。
軸腐病予防に関しても、残渣徹底除去の有効性を強調。薬剤は、スミレックス水和剤に効果が認められるとした。
JAおきなわ宮古地区営農振興センター農産部の与那覇英人営農指導員が「冬場に向けた栽培管理」について講話。JAおきなわ農業事業本部の平田聡さんは「組織づくりと市場の動向」と題して話した。