市議員ら300人宮古で研修
宮古人気質を紹介/下地和宏氏
謝花県企画部長 自立への施策語る
県内の市議会議員・事務局職員研修会(主催・県市議会議長会)が28日、マティダ市民劇場で開催され、300人余が参加した。講演した下地和宏宮古郷土史研究会長は「方言のアララガマ(何くそ負けるか)が、宮古人気質を端的に言い表した言葉」と紹介。謝花喜一郎県企画部長は「一括交付金の効果的な活用が、沖縄発展のカギを握る」と強調した。研修後、意見交換会を開き交流した。
下地氏は260年余に及び農民を苦しめた人頭税制を島ぐるみ運動で、廃止に追いやった反骨の歴史をひもといた。その上で「アララガマ精神は、過酷な税制の歴史の中で生まれた」と持論を展開。宮古人気質はは、島を挙げたトライアスロン大会や住民の強い要請で実現させた東京直行便、離島架橋などに見られると例示した。
宮古・八重山は4000年前から3000年間、独自の文化を育んだ。沖縄本島との交流は1000年前からで、このため宮古には沖縄とは違った文化が根付いていると強調した。
謝花部長は本土復帰から、2001年まで3次にわたる沖縄振興開発計画は、社会資本や県民所得の本土との格差是正を主眼に政策を展開した経緯を説明。第4次(02~11年)は、所得格差が縮まらないため、特に産業育成(自立経済促進)に力を入れる方針へ転換したことを示した。
新たな沖縄振興計画(12年~)の策定に向けては、アンケートを実施。その結果、自然や歴史、伝統文化を大切にし、豊かで安全・安心に暮らせる島づくりを求める県民の意向が浮かび上がったとした。
同意向を踏まえ新たな計画は「強い経済」と「優しい福祉」を2本柱に据えた。克服すべき課題には、「離島の条件不利性克服」などを挙げ、宮古など離島に関しては▽交通コストの低減▽農業の振興▽観光メニュープログラム開発-などを支援する方針を示した。
沖縄振興特別交付金(一括交付金)は、全国一律の施策(米の戸別補償など)が沖縄が沖縄に合っていない実体を指摘し、要望したという。
質疑応答で下地明市議会議員が揮発油の沖縄本島並みの流通を求めたのに対し、謝花部長は、今年から来年にかけて実体調査を行い、今後同額にする考えを示した。