県、家畜市場に消毒ヤード/牛競り2カ月連続中止
農家「臨時開催を望む」
口蹄(こうてい)疫問題で、県内の家畜競りは2カ月連続中止となった。防疫を重視して「やむを得ない判断」(県、JA関係者)だが、肉用牛競り農家は「1日も早い臨時競りの開催を望んでいる」と話し、経済的損失に強い懸念を示している。臨時競りの開催をにらむ県は19日までに、県内の全家畜競り市場に消毒ヤードを設置した。
通常の競り運営なら毎月19日に開催される宮古本島の肉用牛競りは今月も中止。毎月多くの生産農家と購買者でにぎわう市場内は終日閑散としていた。
城辺の60代の生産農家は「大変苦しい状況にある。何より経済的な問題が心配だ。われわれとしては、1日も早く臨時競りを開催してほしいというのが本音だが、防疫も重要だと思う」と複雑な心境を明かした。
県やJAは、臨時競りの開催を見越して県内各地で防疫を強化している。宮古地区では宮古本島と多良間島の競り市場に消毒ヤードを設置。市場に入場するすべての車両に消毒液を噴霧し、口蹄疫の侵入を防ぐ。
ただ、宮崎県の口蹄疫に終息のめどが立たないことから、臨時競りの開催については判断を先送りせざるを得ない状況にある。口蹄疫が侵入すれば現状をはるかにしのぐ経済的損失を被るためだ。
臨時競りのみならず来月競り開催の見通しも立たない県内の家畜競り。生産農家の不安は拡大している。