株出管理は収穫後速やかに/キビ栽培講習会
1カ月以内で30%増収
サトウキビの株出栽培講習会(主催・県宮古地区農林水産振興センター農業改良普及課)が14日、城辺友利の公民館で開催された。講師を務めた同課の友利研一農業技術班主任は、ハリガネムシに有効なベイト剤の使用やアオドウガネ誘殺灯の普及に伴い、株出栽培面積が増えたものの、適切な管理(手入れ)がされず低反収の畑が多く見られる状況を指摘。株出栽培では特に、収穫後速やかな管理が重要とし、収穫後1カ月以内に管理した株出はしなかった所と比べ、20~30%収量が増えるという栽培試験結果を示した。
友利主任によると、宮古における株出栽培は1977年ごろには全面積の約5割を占めていたが、塩素系農薬の使用禁止を受けて、土壌害虫がまん延しその後激減した。最近はベイト剤や誘殺灯の効果でほとんどの畑で株が出るようになり、キビ畑の風景が一変。株出栽培が増えた一方で、手入れが行き届かず雑草が伸び放題の畑が見られるなど、新たな課題が浮上した。
株出管理では、株元の「葉ガラ」を寄せて株元に太陽の光りを当てることが重要と強調。光は萌芽を促すと、効果を説明した。
株元に肥料を与え、かん水することで萌芽力が向上。土壌害虫防除のための農薬散布や雑草の発生を抑制する除草剤の散布も欠かせないとした。
友利主任は、管理は収穫後できるだけ早い時期がベストだとのデータも示した。収穫直後に葉ガラを寄せ施肥した畑の5カ月後の10㌃当たり茎数は927本と、しなかった所の670本と比べ、257本多かった。
株元からの葉ガラ除去も兼ねる「株揃え」や施肥、除草剤、農薬散布を同時に行えるのが株出複合管理機。使用申し込みは株出管理機所有者やJAおきなわ宮古地区営農振興センターのさとうきび対策室(電話72・1341)や製糖工場で受け付けている。