西銘氏が当選果たす/衆院選沖縄4区
自民、議席取り戻す
【那覇支社】第46回衆議院議員選挙は16日、県内各地の投票所で投票が行われ、即日開票された。5人が立候補した沖縄4区(宮古島市、多良間村など)では自民元職の西銘恒三郎氏(58)=公明推薦=が7万2701票(午後11時30分現在、開票率98・67%)を獲得。3度目の当選を果たすとともに、2009年の前回選挙で民主に奪われた議席を取り戻した。民主党を離党し、無所属で出馬した前職の瑞慶覧長敏氏(54)=社大推薦=は得票を伸ばせず、3万3713票(同)で次点に終わった。沖縄1区(那覇市など)に立候補した宮古島市出身で郵政・防災担当、国民新前職の下地幹郎氏(51)=民主推薦=は落選した。
当選した西銘氏は、TPP参加に反対し、沖縄の農業、畜産を守ると訴え。政権を奪還し、自民党、公明党による安定した政権への復帰を呼び掛けた。
自身、「公民館単位で活動してきた」という通り、前回の落選時から3年4カ月にわたり、連日にわたっての朝立ちなど地道な政治活動を展開。各自治体の保守系首長や議員とのネットワークの構築を図りながら、「経験」と「即戦力」をアピールした。
解散総選挙をにらみ、後援会を中心とした選挙区での運動を早めに展開したことで、超短期決戦を優位に進めた。
政権交代の波で、民主に流れた一部の保守系票を取り戻したことで、各地で安定して得票を重ねた。
一方、民主党を離党し無所属で立候補した前職の瑞慶覧氏は、「沖縄の主権を懸けた戦い」を掲げ、市民派的な運動を展開。4区が離島を抱えていることで「離島から沖縄を元気にする」と訴えたが次点にとどまった。
「政権奪還」という全国的な波と重なったことや、出馬表明の出遅れも響き、実績や政策を十分にアピールすることができなかった。
維新の会新人の魚森豪太郎氏(34)は、社会保障の分野である医療の格差是正や地方分権を強調したが、「第三極」の風を吹かせることはできなかった。
共産新人の真栄里保氏(56)は、消費税増税とTPP反対、平和憲法の堅持、基地撤去など「国民の暮らしを守る」と呼び掛けたが多くの有権者に浸透しなかった。
民主新人の大城信彦氏(45)は、逆風の中、一括交付金の創設や高校の授業料無償化など、党の政策を強調し政権維持を訴えたが得票数を伸ばすことはできなかった。
沖縄4区の投票率は53・37㌫で前回選挙に比べ10・96ポイントと大きく下回った。沖縄選挙区全体は56・02㌫で前回に比べ8・93ポイント下回った。
宮古島市や多良間村での選挙結果は、来年1月の宮古島市長選や6月の多良間村長選の行方を占う。