国の財政やさしく解説/法人会青年・女性部会
税務署長招き「税の勉強会」
沖縄宮古法人会青年部会と女性部会主催の2012年度「税の勉強会」が20日、市内のホテルで開かれた。講師の大角良昭宮古島税務署長は「国の財政を家計に例えると月々の給与40万円に対し、家計費45万円、仕送り14万円、ローン元利払い19万円で支出合計は78万円になる」と試算。40万円の収入しかないのに38万円を借金で賄う家計は成り立たないと、厳しい財政状況を示した。
日本の経済では、人口減少に伴う消費の伸び悩みを背景にした長引く景気低迷が大きな問題になっていると指摘。日本経済は団塊の世代が働いて自動車や家電を買い、住宅を新築していく中で、急成長を遂げたと分析した。現在は団塊の世代と比べてそうした物品の消費人口が減ったために、国全体の消費を昔同様に回復するのは難しい業だとの見方を示した。
経済の成長率が低く、税収が伸び悩む一方で、社会保障費や国債費が増え続け、国の借金が709兆円(2012年度末見込み)に増え、財政が火の車に陥ったとした。
2012年度一般会計は税金などの収入46・1兆円に対し、支出が90・3兆円で44・2兆円を公債費(借金)で賄うという厳しい状況。大角署長は、支出を減らし同時に収入(税収)を増やさないと借金はどんどん増えていくと考えを示した。