規格外品の販路拡大へ/マンゴー
市、最新鋭加工機器導入
島内農産物の規格外品をピューレ化して出荷する宮古島市の事業が動き出している。市上野トロピカルフルーツパーク内にある施設に農産物をピューレ化する最新鋭機器を導入。指定管理者が運営し、主にマンゴーの規格外品をピューレ化して市場に出す。生の風味を残すピューレの需要は全国的に高い。今回の事業の成果によっては野菜・果樹の規格外品の取り扱いが見直され、販路の拡大につながることが期待される。マンゴーのピューレ化は来年収穫分から始める方針だ。
とろみのある半液体状のピューレは、農産物を加熱したり、すりつぶしたりしながら製造するが、特殊な機器の使用によって生の風味がそのまま残る。このため需要が高く、菓子類などに使用されることが多い。
同事業で、市は一括交付金を活用し、全体で約6700万円を投入した。市観光商工局によると、新しく導入する機器ではマンゴーなどの果物のほか、野菜類を含めてすべてをピューレ化することができるが、当面はマンゴーのピューレがメーンになる。
導入する機器は日量50㌔の規格外品のピューレ化が可能だが、出荷状況を見ながら将来的には市が規模の拡大を検討する。また、当初はピューレの出荷のみを計画していたが、地元での商品開発・販売も視野に入れながら幅広い加工事業を展開していく方針だ。
ピューレの需要が高いため、安定出荷体制が整えば規格外品の販路が構築される。これまで安値で取引されてきた規格外品の価値の高まりが期待される。
市観光商工局では「規格外品の可能性が広がる。販路を構築しながら、いろいろなことが展開できる」などとしている。