船舶テロを制圧/平良港で対策総合訓練
2012年度の平良港テロ対策総合訓練(主催・平良港保安対策協議会)が26日、平良港下崎埠頭と前面海域で行われた。宮古島海上保安署や宮古島署など14の関係機関から約90人が参加。情報伝達訓練やテロリストの制圧訓練などを、実戦さながらに行った。
開会式で知花包信平良港保安対策協議会長は「物流拠点の機能を担う平良港でのテロ発生は、宮古圏域の経済や市民生活を脅かすことにもなりかねない。訓練を通して危機管理意識を高め、有事の際の対応力をチェックすることは、地域の安全を守る上で意義がある」とあいさつした。
テロリストに乗っ取られた船舶は、午後2時ごろ下崎埠頭に接岸した。船長が「数人のテロリストに乗組員が人質に取られた。要求に応じなければ、殺すと脅かしている。至急助けてください」と海上保安署(118番)に通報。同事件は警察や港湾管理者の市などに伝えられ、警察や海上保安署のテロ制圧隊、パトカー、救急車などが次々と到着し、物々しい雰囲気に包まれた。
海上保安署の制圧隊6人が拳銃を手に、海上のゴムボートと陸上から、テロリストのいる船に突入。「近づくな、刺すぞ」などとわめく犯人に銃口を向けて、凶器を捨てさせて取り押さえた。
陸上に逃走した犯人は、警察制圧隊が手にする盾に棒を荒々しくたたきつけて抵抗したが、あえなくご用となった。
船内からは覚せい剤が発見され、犯人に腹を刺された一人の乗組員は、救急車で搬送された。