「加入者の負担軽減を」/市国保運営協
課税額の下げ求める/市長に条例改正案を答申
宮古島市国民健康保険運営協議会(松川修会長)は11日、2010年度の保険税率や課税額を引き下げる市国民健康保険税条例の一部を改正する条例案を下地敏彦市長に答申した。加入者の負担軽減を考慮し前年度に引き続き改正したことや、国保事業の健全運営の面から収納率向上を課題に挙げ「最大限の努力を期待する」とした付帯意見を添えた。標準家庭を事例にした試算では年間税額は30万700円となり、前年度比約3万6400円の減額になる。市は1世帯当たりの保険税額を①所得割(世帯の加入者の所得に応じて計算)②資産割(世帯の加入者の資産に応じて計算)③均等割(世帯の加入者数に応じて計算)④平等割(1世帯にいくらと計算)-の4方式を使って決めている。
それによると、標準世帯(40歳~64歳夫婦と子供1人の3人家族で年平均所得165万円、資産税額9万円)の場合、年間で医療分(基礎課税額)が20万5200円、後期分(後期高齢者支援金等課税額)が4万4600円、介護分(高齢者の介護を支える保険料)が5万900円となる。
市は、10年度の一般被保険者の実質負担額を前年度に比べ、1億400万円減の総額11億2600万円に設定。収納予定額を実質負担額の89%に当たる10億200万円にした。収納予定額は前年度に比べ4600万円低い。市は目標通りの収納額であれば、前年度比マイナス分を一般会計予算から繰り入れ、前年度並みの収納額にしたい考え。
国保税の一般現年度分収納率は4月末現在で約81%にとどまっている。国からの調整交付金削減の罰則を受けない91%を達成するのは困難な状況だ。
税率の改正については前年度は4%引き下げを実施。一般会計から約2億2000万円を繰り入れる予定だ。前年度の引き下げは、1年限りの「特例」で実施したが、今回は条例本則の一部を改正し、より加入者の負担軽減に努める。
答申を受けた下地市長は「収納率の向上にになお一層の努力をしていく。市民には国保税の負担軽減を図っていきたい」と述べた。
条例案は6月14日開会予定の市議会6月定例会に上程される。原案通り可決されれば、7月末から2月末までの計8期にわたり標準世帯であれば月額約3万7000円を納めることになる。