車両の噴霧消毒を検討/県畜産課 口蹄疫、侵入対策強化へ
【那覇支局】県農林水産部畜産課(赤嶺幸信課長)は、宮崎県で感染拡大を続ける口蹄疫(こうていえき)の県内への侵入防止対策を徹底強化し、本土、九州から入港する車両などの散水車による「噴霧消毒」を検討している。また、臨時競り市場の開催は、感染拡大の事態が終息する当面の間、見送ることなどを部内協議し、防疫対策を最優先することを決めた。同課では畜産農家に対しても自主的に消毒等を徹底し、防疫対策に努めるよう呼び掛けている。
今年4月に宮崎県川南町で発生した口蹄疫は、その後も感染拡大を続け、今月10日には国内最大級の畜産地帯、同県都城市での疑似患畜牛が発見され、同農家の飼育牛208頭すべての殺処分を行った。その後も、日向市、宮崎市で感染畜発生の報告があり、沖縄県も担当課内での対策検討と、対応に追われている。
県は5、6月の県内家畜競りをすべて中止したことから、宮崎県えびの市の終息宣言を待って、臨時競りの開催を予定していた。県畜産課によれば、ワクチン接種後の殺処分個体であっても、と殺後の個体そのものがウイルスを放出するため、埋却作業が遅れた場合、感染拡大の危険性が高まるという。
同課の赤嶺課長は、感染拡大で競り再開のめどが立たないことについて、「農家の皆さんには、もう少し、ご辛抱をお願いしたい」と述べた上で、「宮崎の事例を見ても安心できる状態にはない。消毒網をくぐり抜けて飛び地拡大している。県も空港、港などの消毒を、さらに強化していく」と説明し、畜産農家に対して部外者の畜舎出入りを徹底禁止し、自主的に畜舎などの消毒を行ってほしいと呼び掛けた。
県は予備費で調達した5、6月分の競り中止にかかる農家負担支援の利子補充予算を来週中にも執行し、競り再開は宮崎の状況を見て判断したいとしている。