下地島にF15配備案
防衛省「計画ない」と否定
【那覇支社】尖閣諸島周辺への中国航空機領空侵犯に対処するため、下地島空港にF15戦闘機を常駐配備させるとの一部報道を受け県は15日、同内容について防衛省に事実関係の確認を行った。同日午後、防衛省本省から県基地対策課あて通知があり、「防衛省において、F15戦闘機を下地島空港に常駐させる計画はない」との正式回答があった。また、同回答では2013年度概算要求で、南西諸島を含む領空警戒監視態勢などの調査研究費を盛り込んだ事実を認めているが、「下地島といった特定の場所を念頭においているものではない」と重ねて航空自衛隊の利用を否定している。
事実関係を確認するため県は沖縄防衛局を通じて照会文書を送り、同日午後、本省から県知事公室あて正式な通知があったという。
同空港を所轄する県土木建築部の當銘健一郎部長は宮古毎日新聞の取材に対し、「沖縄防衛局に確認したところ、下地島に特化して自衛隊を展開するとは聞いていないと話していた。県も下地島空港の利活用を検討しているが、民生的な利活用を考えているわけで、自衛隊専用の利活用というのは全く考えていない」と述べ、「屋良覚書と西銘確認書について今後とも尊重されるべきだ」として、同空港の自衛隊利用については県も容認することはないとの考えを示した。
また、基地問題を所轄する又吉進知事公室長は「いずれにしても下地島空港の利活用については、屋良覚書や西銘確認書があり、当然政府はいかなる利活用についても、これを踏襲して行うべきだというのが県の公式な立場だ。これを踏み外すことはない」と述べ、同空港は民生利用以外にあり得ないことを明言した。
當銘部長によれば、県は現在、同空港の利活用について、LCC(格安航空会社)の飛行訓練や航空大学校、宇宙開発事業団の誘致、国際緊急援助基地などの構想を持っており、JICA(国際協力機構)などへの働きかけを行っているところで、自衛隊への働きかけはまったく行っていないという。