県6月補正、総額50億円計上/宮古-多良間など運賃低減へ
【那覇支局】県総務部(兼島規部長)は16日に開会予定の県議会(高嶺善伸議長)6月定例会に提出する補正予算案の内容を8日、公表した。6月補正は沖縄特別振興対策調整費関連事業として38億1779万円と口蹄疫対策関連事業費として8億3605万円の計50億9252万円を計上する。このうち、振興特別調整費枠で「小規模離島空路利活用活性化事業」を実施し、宮古-多良間など6路線で試験的に離島航空運賃低減化を実施するため4億7706万円を予算編成した。同事業の実施は初めて。
同事業は、宮古-多良間間のほか、那覇-久米島、粟国、南大東、北大東、石垣-与那国の6区間で実施。中核病院や高校のない小規模離島を対象とした航空運賃低減化による経済効果を調査するための「社会実験」として今年10月から3月までの期間、高校生を5割、その他の一般搭乗者運賃を3割低減化し、離島経済にどのよな効果を与えるかを検証する。
県総務部によれば、近年の県内小規模離島人口の減少は著しく、島の社会環境を背景に、家族ぐるみで引っ越しするため、定住促進が図られない状況があるという。そのため、人的流通効率を促進することで、航空運賃を試験的に低減化し、その効果分析を行う。
兼島部長は、「とりわけ、高校がない離島は人口定着率が低い状況にある。定住促進を図ることを目的に試験結果を求めていきたい」と述べた。県は同事業の結果によって、離島の航空運賃低減化策を促進したい考えだ。