市県民・固定資産税一括全納報奨金 4月から制度廃止
4300万円の支出抑制へ/宮古島市
宮古島市は市県民税(普通徴収)、固定資産税の全期前納報奨金制度を廃止する。昨年の市議会12月定例会で税条例の一部を改正する条例が可決された。4月から適用される。これにより、市は4300万円の支出が抑制される。ただ一方で、徴収率が低下する懸念がある。
同制度は、市税(1期~4期)を納期前に一括全納した場合に適用される制度。税収の早期確保と自主納税意識の向上を目的に1950年に創設された。
市では、個人の市県民税の普通徴収分と固定資産税で同制度を適用してきたが、給与や年金の天引きで市県民税を納めている約8割の市民は適用できず不平等感が生じていた。
また、経費節減を図ることからも各自治体で廃止の動きがあり、県内では現在、宮古島市と宜野座村のみが実施していた。
市税務課によると、前納納付件数(2012年度実績)は市県民税が全体の9・9%に当たる1751件(2億2700万円)、これらの件数に支出した報奨金総額は358万円となった。
固定資産税は対象件数の50・1%に当たる1万296件(11億2500万円)で、これに対する報奨金総額は3954万円で、市県民税と合わせ支出された報奨金は4300万円となった。
報奨金は納付額によってそれぞれ違うが、12年度実績で見た市県民税(限度額2万円)の一人当たり平均額は3400円、固定資産税(同5万円)は平均3800円となっている。
市は同制度の廃止の理由として①税収の早期確保および自主納税の意欲の向上がおおむね達成できた②経費節減を図る-ことを上げている。
廃止の影響について市では「これまで前納してきた市民は納税意識が高いので、同制度を廃止しても納めてもらえるのではないか」と話す一方、同制度の廃止により、前納していた市民が期別納付へ移行する可能性があり、納付忘れにつながることを懸念材料と指摘した。
市の11年度市税徴収率は前年度比1・61ポイント増の90・05%で初めて90%台を記録した。ただ、県全体平均(91・1%)と県内11市平均(91・2%)と比べると約1ポイント下回っている。
12年度の徴収率の目標は90・5%に設定している。全期前納報奨金制度廃止後の徴収率は13年度に反映される。