海の災害に連携強化/海保と消防、初の合同訓練
巡視船「なつづき」参加/救助、潜水訓練など実施
宮古島海上保安署(栗谷美則署長)と宮古島市消防本部(砂川享一消防長)の第1回合同訓練が8日、来間島の来間港とその周辺で行われた。
訓練には石垣海上保安部の巡視船「なつづき」も参加し、両機関が連携しながら潜水訓練、行方不明者の捜索訓練などを行い沿岸海域の災害時における協力体制の確認のほか、人命救助技術の向上を図った。
この訓練は、2月26日に市沿岸部や周辺海域で発生する災害などに迅速かつ適切に対応しようと同保安署と同消防本部が「救助技術等に係る相互協力に関する覚書」を締結したことを受けて初めて行われた。
今後も互いの連携強化の観点から、潜水や救助に関する訓練、演習、研修などを行い、職員の救助技術向上を図っていく。
訓練を前に栗谷署長は「この訓練でこれまで以上に迅速かつ的確な救助活動が展開できると思う。地域住民、観光客の安全、安心のためにもさらに両機関の連携強化を図りたい」と述べた。
また、砂川消防長も「宮古島は四方を海に囲まれ、その美しい海を求めて多くの観光客も訪れる。それによる水難事故も予想されるのでこの訓練を通して互いの協力体制を構築してさらに救助技術の向上につなげていきたい」と話した。
訓練では、おぼれた人を海保、消防のダイバーが連携して海岸まで移送し、消防本部の機材で海から引き上げ救急車に乗せて病院へ搬送するまでの訓練を実施したほか、岸壁からの飛び込み法や潜行法などについての訓練も実施した。
そのほか、両機関が連携した行方不明者の捜索訓練も行い、人身事故発生時の対応について確認した。
同保安署のまとめによると、2009年の人身事故者数は15人でそのうち、死亡者は5人。また、今年6月8日現在の人身事故発生状況は、6件でそのうち死亡者は4人となっている。