パイン栽培の普及進む/甘さ評判 作付面積は2㌶に
中元ギフトとして人気
宮古島市でパイナップル(略称・パイン)の経済栽培が徐々に増えている。現在の作付面積は約2㌶、農家戸数が8戸。甘くてみずみずしい食感の宮古産パインは、中元の贈り物として好評を博している。一部の畑では、収穫が始まった。
パインは県内では、酸性土壌の沖縄本島北部と石垣市が、主産地。アルカリ土壌の宮古には向かないとされていたが、近年土壌を選び栽培されるようになった。
農家らはパイン栽培のメリットに①台風、干ばつに強い②肥培管理、収穫が容易③農薬がほとんど要らない-などを挙げている。
昨年初めて収穫した吉本光吉さんによると、平均糖度は県内の15~16度を上回る20度。甘さは土壌と大きく関係するという。
1個平均の重さは1.8㌔で、3㌔のビッグサイズもあった。1個平均の価格は、大きさにより500~1000円。地元店舗での販売のほか、中元の贈り物用として本土や地元の人の注文も多かった。
宮古島市の担当者は「宮古産のパインは、酸味より甘さが際立つ。島外産とは、ひと味違う」と太鼓判を押す。
収穫は今月下旬から本格化し、ピークは7月中旬、9月末ごろに終了する。
パインは、植え付けから2年後に収穫され、10㌃当たりの作付本数は3000~4000本は可能という。吉本さんは「1個平均の価格を最低の300円で見積もっても、10㌃当たりの所得は100万円になる。宮古の特産品として有望」と話す。
栽培する場合は、事前の土壌検診が必要になる。酸性、アルカリ性の度合いを測定する土壌のPH分析は、県宮古農林水産振興センター農業改良普及課で、随時受け付けている。