小中24校の計画を認定/教育長裁量予算事業
主体、自立性主眼に/市教委 1次募集最終審査
来年度予算で新設される1000万円の教育長裁量予算事業に伴い、各学校が応募した「魅力ある学校づくり」についての計画案の最終審査会が12日、市役所城辺庁舎で行われ応募のあった幼稚園と小、中学校31校のうち24校の計画案を認定した。今後、市教委では各学校とそれぞれの計画案について一部練り直しなどを求めて調整を行い、3月末の春休み前までに最終的に予算の配布額を決定する予定。
今回の一次募集では、1月18日までに幼稚園19園のうち2園、小学校20校のうち18校、中学校16校のうち11校からそれぞれ応募があった。
このうち、小学校校、中学校9校の計画が採択され、幼稚園の計画は採択されなかった。
採択された小、中24校の計画による予算要求額は合計で700~800万円程度。今後、市教委との調整で具体的な配布額決定後に残った予算額で2次募集を行うとしている。
今回の認定について、川満弘志教育長は「事業の狙いが学校の主体性と自立性を引き出すことなのでそれに沿った計画を採択している。全体的には先生方の指導力や資質向上に年間を通して行う事業などが認められた」と説明した。
川満教育長によると、最近は家庭の経済格差が子どもたちの学力や生徒指導に大きく影響していることから、今回採択された計画の中には子どもたちが平等に学習機会に恵まれるような取り組みも認められているようだ。
具体的には、学童クラブや塾に行きたくても行けない子どもたちのために塾と同じカリキュラムを日々の学習活動の中に盛り込むことや、学習支援員を配置して放課後の学習活動の充実を図る計画なども認められた。
川満教育長は「今回の取り組みをしっかり評価してこの事業を単年度で終わらせることなく継続していくことが大切」と述べた。
教育長裁量予算については、昨年の市議会9月定例会で下地敏彦市長が教育委員会の判断で使える予算1000万円を来年度予算に計上する方針を示した。
教育長裁量予算による事業名は「人材育成特別推進事業(仮称)」で、生きる力を育む魅力ある学校づくり推進事業(学校教育課)と伝統文化の継承・理解推進事業(生涯学習部)で構成されている。