11万4000㌧に上方修正/宮糖城辺
当初比5000㌧増 株出面積倍増押し上げ
宮古製糖城辺工場は今月上旬に、現在収穫中のサトウキビ(2012-13年期産)の残量調査を行い、当初の生産見込量10万9000㌧を同比5000㌧増の11万4000㌧に上方修正した。株出面積が388㌶と前期の180㌶と比べて倍増し、押し上げた。全体の収穫面積は1990-91年期以来22年ぶりに、1700㌶台を回復した。
残量調査は、農家個々に聞き取りで行い集計した。
11万4000㌧台は、09-10年期以来3年ぶりとなった。今期は昨年の夏場に約1カ月の少雨傾向があったものの、台風の被害が昨年9月末の17号襲来までなく順調に生育した。
同台風の影響で心配されていた糖度は回復し、現在は14度台まで持ち直した。
昨年は11年5月に襲来した台風2号の影響で、反収4・4㌧の大不作となった。今期の株出急増には、昨年の所得減を株出で挽回したいとの思いが一部表れたとの見方もある。
同工場管内の株出面積は、78-79年期の1451㌶がピークとなり、全体の56%を占めた。その後、塩素系農薬の使用禁止に伴い土壌害虫が増え、株がほとんど出なくなっていた。
最近はハリガネムシの防除に有効な農薬や、アオドウガネ誘殺灯の導入により、株が増えキビ畑の風景は一変した。
同工場管内の株出面積は10-11年98㌶、11-ら12年180㌶、12-13年388㌶と急増傾向だ。
洲鎌英樹農務部長は「昨年は大不作だったが、今期は14万㌧台の豊作型となった。しかし、台風17号の影響で来年収穫する夏植の発芽率が低く、収穫茎数の減少が懸念される。その分を補い、今年以上の生産を確保するために株出面積を増やしてほしい」と呼び掛けた。