墓地基本計画案を承認/策定委員会
適正管理の指針に/今後、条例制定に着手
第3回宮古島市墓地基本計画策定委員会(委員長・長濱政治副市長)が15日、市役所平良庁舎で開かれた。第2回委員会と旧市町村各地区で開催された住民説明会で出された意見を盛り込んだ墓地基本計画案について、意見を交わした結果、一部の文言を修正することで承認した。市長決裁を受け正式決定となる。市では同計画を踏まえ、次年度以降に墓地、埋葬等に関する条例の制定に着手する方針。
日本では原則として個人で墓地を持つことはできないが、沖縄は復帰以前、個人所有が一般的な習慣となっていて、復帰後もそのまま容認されてきた。しかし、無秩序に立てられた墓地による生活環境の悪化や計画的な土地利用への支障が生じてきたことから、市では今後の墓地の規制、誘導、適正管理、墓地整備のあり方など総合的な墓地対策の方向性を示す指針として同計画の策定を進めてきた。
これまでに2回の委員会を開催したほか、今月5~7日には旧市町村各地区で計画素案の住民説明会も行い、住民から意見や要望を募ってきた。
同計画の対象地域は市の全域で、計画期間は2013年からおおむね10年間。「都市(まち)・自然と調和のとれた墓地づくり」を墓地の将来像とし、基本目標としては▽既存墓地の適正管理に努め、良好な生活環境の維持・向上を目指す▽市民ニーズに対応した墓地供給の整備に努める-などを挙げている。
個人墓地禁止区域としては、主要道路と河川から30㍍以内、公園や学校、病院など公共的施設や人家から100㍍以内、水源を汚染する恐れのある場所、急傾斜地崩壊危険区域などを想定。禁止区域の個人墓地の公営墓地への誘導や墓地を作るために必要な許可申請制度の周知徹底、無許可墓地の地域監視体制の確立などにも取り組む。
第3回委員会ではコンサルタント会社の担当者がこれまでの委員会や住民説明会で出された意見、要望を受けての計画案の変更点などを説明した。
計画案の中で、個人墓地禁止区域の定義の一つに「既存墓地は容認する。墓地の経営者が墓地の建て替え、改修を行うことは認めるが、墓地を増やす行為は認めない。場所や場合によっては既存墓地の移転も促す」とあることについて長濱副市長が「基本計画の中で禁止区域の既存墓地を容認するとうたうことには抵抗を感じる」として見直しを要請。協議の結果、「無許可墓地については可能な限り移転を促す」と変更することとなった。そのほかの文言修正については事務局で行った後、長濱副市長が確認をすることで委員会は計画案を承認した。