利用増なければ撤退も/運休期間は1カ月短縮
スカイマークが市に報告
スカイマーク(SKY、本社・東京、西久保愼一社長)は現在、1日3往復6便運航している那覇-宮古線を4月から3カ月間運休するとしていたが、これを1カ月短縮し、6月1日から運航を再開することを決めた。同社の加藤正三取締役執行役員が19日、下地敏彦市長に報告するとともに、利用者増へ支援を要請した。ただ、運航再開後、搭乗率が一定以上に達しない場合には再運休や撤退する可能性も示した。
市長室を訪れた加藤氏は、羽田空港の発着枠が今年4月から新たに4枠配分され、そのうち2枠で羽田-那覇線を就航させること、それに伴い、3カ月の運休を予定していた那覇-宮古線の運休期間を1カ月短くし、6月1日から運航再開させることを伝えた。運航便数は現在と同じ1日3往復6便を予定している。
加藤氏は「民間会社なので、赤字が継続していくのは財政的にかなり厳しい。いったん運航は再開するものの、(乗客数が)想定の数字より上がらなければ、再度の運休、あるいは運航停止や撤退ということも将来、視野に入れながら、まずは6月からの運航再開を決定した」と述べた。
そういう状況を踏まえた上で、市に対しては市職員に同社路線の積極的利用を呼び掛けるなどの、搭乗率向上への協力を要請した。
下地市長は同社路線について「使い勝手が悪いとの話を聞く。もう少し使いやすい形にしてほしい」と要望した上で「職員には、時間的余裕がある時には極力SKYを利用するよう指示は出している。観光に対するSKYの役割は大きなものがある。私たちも努力をするので早期運航再開へ努力してほしい」と訴えた。
加藤氏は「そもそも那覇と宮古のパイプは太いが、本土と沖縄のパイプが太くなく、送客が難しい状況にあった。今後、新たに羽田-宮古間の運賃を設定するなど新しい戦略も模索している。地域からの支援を受けることで良い形で運航を継続したい」と述べた。
下地市長は「市民全体が航空便の利用について考え直してみる必要がある。市民一人一人がその利用度を高める努力をし、乗客数を向上させることが、宮古-那覇間の低廉で安定的な運賃体系を維持していくことにつながる」と話した。
SKYの那覇-宮古線はは2011年9月から就航。片道最安2800円というこれまでの運賃を大幅に下回る運賃設定としたことから、既存の航空各社もそれに対抗する形で運賃値下げを行ってきた。
その後、SKYは「全体の機材繰りの見直し」を理由に12年9月から同路線の便数をそれまでの1日5往復10便から3往復6便に減便。そして今年1月25日には、「競争環境の激化で一定以上の搭乗率の確保が困難になった」などの理由から同路線を4月1日~6月30日までの3カ月間、運休することを発表していた。