小型EVの社会実験へ
運行体系構築目指す/市、ホンダ、東芝が協定締結
市と本田技術研究所(ホンダ)、東芝は小型電動モビリティと充電インフラの社会実験を宮古島ですることになり21日、市役所平良庁舎市長室で基本協定を締結した。小型モビリティは、軽自動車よりも小さい2人乗り程度の新タイプの乗り物で、公道走行は国の認定が必要。東芝が充電器を各所に設置し、ホンダが車を走らせて、円滑に運行できるシステムづくりを目指す。実験開始は年内を予定している。
市は環境モデル都市行動計画の一環で、2030年までに島内車両の約40%を電気自動車(EV)にする目標を示す。今回の協定は、目標達成への弾みになると意義を強調する。
署名に先立ち、下地敏彦市長は「市はCO2排出削減のために、電気自動車の導入を試みてきた。今回の協定を機に、現実のものにしたいと思っている」とあいさつした。
本田技術研究所の幸村秀生常務執行役員は、EVの場合は充電インフラとの連携が重要になるとし、プロジェクトではその辺をしっかり検証したいと意欲を見せた。
東芝の榮元安信自動車システム統括部長は「EV車を利用する生活の中で、東芝の充電施設がどれだけ活用できるかを実証したい」と実験に駆ける思いを強調した。
署名後のプロジェクト説明で榮元部長は具体的に「台風の影響で停電しても、充電可能な蓄電池を備えた設備を検討したい」と、宮古に合った設備の導入を視野に入れていることを示した。
幸村常務は「小型モビリティは新しい乗り物なのでユーザーのニーズが分からない部分もある。実験は車の開発にも役立てたい」と述べた。
小型電動モビリティは、小回りが利き地域の手軽な足として、生活の向上に寄与すると注目を集めている。国土交通省は、日常の交通や観光回遊、まち回遊などに向くと期待する。
同車は①高速道路は走行しない②交通の安全などを図るための措置を講じた場所において運行する-などを条件に認定を受けることで公道走行が可能になる。
社会実験の具体的内容は、今後協議する。