圏域振興に協力を/宮古島市・多良間村
山本沖縄相に要請/天然ガス利活用促進など
山本一太沖縄担当相は3日、宮古島市を訪れ、下地敏彦宮古島市長や下地昌明多良間村長らと懇談した。下地市長は天然ガスの利活用促進など5項目を、下地村長は多良間・石垣間の航空路線の再開、運航など3項目をそれぞれ要請した。宮古島、池間、伊良部の3漁協の組合長も出席。尖閣諸島に強風を避ける避難港の早期建設を要望した。山本氏は建設中の伊良部大橋なども視察した。
山本氏との懇談会は、宮古島東急リゾートで夕食を取りながら行われた。
席上、下地市長と下地村長は「宮古圏域の振興に関する要請書」を手渡し「特段の配慮」を強調した。
要請した天然ガスの利活用促進について、下地市長は「天然ガスは石炭などと比べ、相対的に環境負荷が少なく、地産地消できる有用的な資源と位置付けられている」と説明。その上で「天然ガス資源の有効活用や環境負荷低減の取り組みへの展開など、産業創出と経済活性化に向けた支援をしていただきたい」と述べた。
下地島空港の利活用については、国際的な災害時における緊急支援物資の備蓄拠点としての活用と国際的な航空機整備基地としての活用の検討を要請した。
また、下地市長は「尖閣諸島周辺海域は外国漁船が違法な操業を繰り返し、宮古島市をはじめ国内漁業者の安全、安心な漁業を脅かしている」と指摘。しけなどの荒天時に避難できる港や桟橋の整備が求められていることを説明し、船舶の安全操業と安全航行の確保に配慮を求めた。
下地市長によると、これらの要請に対し山本氏は「分かりました」と答えたという。
懇談会には3漁協の組合長も出席し口頭で、同海域への避難港の早期建設を訴えた。出席した関係者によると山本氏は同要請に対し「はっきりしたことは言えないが、総理が判断すると思う」と話したという。
与那覇湾の利活用および希少生物保護繁殖センターの整備、農業基盤整備の推進も合わせて要請した。
一方、下地村長は、多良間・石垣間の航空路線の再開と運航について「離島振興、地域活性化において重要課題」と述べ、同路線の開設と運航支援を要請した。
下地村長はまた、多良間港前泊地区の整備、水納島への連絡船(定期船)の整備も要請した。
山本氏はこれより先、建設中の伊良部大橋を視察。県の担当者から工事概要などの説明を受けた。平良港、地下ダムなども視察した。