下地島、民事以外活用せず/県議会2月定例会一般質問
奥平氏、空自利用で県追及/知事「屋良覚書を尊重」
【那覇支社】開会中の県議会(喜納昌春議長)の2月定例会は5日、一般質問初日に入り、宮古島市区選出の奥平一夫氏(県民ネット)が質問に立った。奥平氏は下地島空港および周辺残地利活用に関連し、県が同空港の利活用検討協議会を進めている中で、航空自衛隊の戦闘部隊配備問題が浮上していることを指摘。再質問で、同問題に対する仲井真弘多知事の見解をただした。これに仲井真知事は「屋良覚書、西銘確認書を尊重し、利活用については検討協議会で展望を開いているところだ」として、同空港の民生利用以外の考えはないことを強調した。
同質問に対し答弁した當銘健一郎土木建築部長は、「人命救助、緊急避難等、特にやむを得ない事情がある場合を除いて民間航空機に使用させる方針で管理運営する」との確認書の内容を示した上で「検討協議会では民生的利活用案の検討を行っている」と答えた。
奥平氏が、同協議会の具体的方向性についてただしたのに対し、當銘部長は航空機の性能試験や航空宇宙産業誘致などの新たな利活用策についても実現可能な観点から具体的検討に入ったことを説明。再質問答弁では「協議会は航空会社、他の県営空港、格安航空会社(LCC)、三菱MRJ(小型旅客機製造)など、さまざまな機関へのヒアリング調査を行っており、市提案の災害時備蓄基地、国際航空機整備拠点の可能性も含めて検討している」と述べ、3月中には協議会で具体的な方向性が示されることを明らかにした。
また、空自利用の可能性について又吉進知事公室長は、防衛省が次年度予算で、南西諸島における調査費5000万円を計上した事実はあったものの「県が確認したところ、特定の島に限った調査ではないとのことだった」と答えた。
このほか奥平氏が新宮古病院の医療体制と機能をただしたのに対し、伊江朝次病院事業局長は「6月開院予定で、災害拠点病院として耐震化等を行っているほか、休日・夜間診療所を併設する。電子カルテ導入、MRI、CT等の新型医療機器への更新やバリアフリー化などの充実を図っている」と答弁した。
県内教職員の精神疾患休職者人数を奥平氏が質問したのに対し、大城浩教育長は教職員1万4036人中、病休者は373人、このうち158人が精神疾患によるもので、病休者の42・36%が同疾患によるものであることを明らかにした。