市の専門職員派遣終了/サモア水道支援PJ
浄水場運転管理で成果
宮古島市がサモアに専門職員を派遣して水道事業運営を支援しているプロジェクトで、今年の2月2日~同24日まで、同国で技術指導をした2012年度第2回派遣団の梶原健次統括(市上下水道部下水道課長補佐)らが5日、下地敏彦市長を訪ね帰国報告をした。
同プロジェクトは、宮古島市の生物浄化法や漏水防止技術移転を目的に10年度から始まり、今年度で終了する。梶原統括はサモアでの事業総括で「浄水場運転管理、漏水対策、水資源管理について成果・有効性が認められる」と高い評価があったことを報告した。
今回の派遣は①アラオア浄水場の運転管理指導②プロジェクトの終了時評価-を主眼に活動。浄水場管理では、にごり水をきれいにする操作が間違っていたりしていたため、正しいマニュアルを作成した。
終了時評価では、漏水対策について音聴棒や漏水探知機を用いた漏水探査の基本技術を公社職員が習得したなどの成果も挙げた。同評価は確認文書としてとりまとめ、サモア水道公社のフィリップス総裁代行、上地昭人課長、、国際協力機構(JICA)の佐々木克宏サモア支所長の3者が署名した。
梶原統括らは、在サモア日本大使の澁田一正氏を表敬訪問した。渋田大使は①継続プロジェクトは引き続き宮古島市の協力を願いたい②宮古島市においては同じ担当者に継続してかかわってもらえることを期待する-などの要望があったという。
次年度以降、サモアの水道支援事業は国際協力機構(JICA)に引き継ぐ。直営事業は①技術移転を中心とした5年間のソフト事業②サモア市街地に新たに3つの浄水場建設-などを計画している。
下地敏彦市長は今後について「サモアの水道技術をきちっと確立させる必要がある」と指摘した上で、「施設整備の面で地元企業が参入できる形でないとかかわるメリットがない」と述べ、宮古から水道ビジネスのサモア進出の必要性を強調した。