池間湿原 「生態」「再生」で管理を/国指定鳥獣保護区
「保全のあり方」で報告/池間自治会などが市長に
池間自治会の奥原正美会長など池間の8団体の代表や琉球大学資料館の博物館学芸員である佐々木健志氏らで構成する「国指定池間鳥獣保護区池間湿原の保全のあり方」連絡会議のメンバーが6日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長を訪問。池間湿原を、①湿原生態系保全ゾーン②野鳥の森再生ゾーン③その他-の3ゾーンに分けて湿原を保全、管理するとした同会議がまとめた保全のあり方について報告した。
同連絡会議は池間自治会、池間老人クラブ、池間漁協、池間漁協婦人部、池間小中学校PTA、池間体育協会、NPO法人いけま福祉支援センター、在平良池間郷友会、宮古野鳥の会の代表と、環境省那覇自然環境事務所と市みどり推進課の職員、佐々木氏で構成。環境省の委託を受け今年度、「池間湿原の保全のあり方」について調査と検討を実施してきた。
連絡会議がまとめた保全管理のあり方としては、湿原を①湿原生態系保全ゾーン②野鳥の森再生ゾーン③その他-に区分。湿原生態系保全ゾーンは湿原に飛来する野鳥や湿原に生息する野生生物を保全するエリアとし、生物の生息環境の保全を図るために水草と底泥の除去を実施する。野鳥の森再生ゾーンは鳥類が利用する森林を保全するエリアとし、植樹などを行う。その他のゾーンでは、①と②に隣接したエリアを「湿原環境教育ゾーン」とし県内外の学生らを対象とした環境学習やエコツーリズムの場として整備することなどを提案している。
市長室を訪れた佐々木氏は保全のあり方について説明した上で、今年度は生物調査を実施し環境学習にどう利用できるかというプログラムを行う計画であることを示した。
下地市長は「良い考え。市としても湿原を埋めてしまうことは非常に良くないと思っている。湿原の保全の仕方をどうすれば良いか考えてきた。十分に活用させてほしい」と述べた上で、「ただ普通の工事ではなく、環境へ配慮しての事業になる。事業量を考えても市単独では厳しい。すぐにとはいかない。息の長い話になると思う」との考えを示した。