下地島JAL撤退問題 1億7000万円で和解
座喜味氏に土建部長が答弁/県議会一般質問
【那覇支社】開会中の県議会(喜納昌春議長)2月定例会は8日、一般質問最終日を迎え、宮古島市区選出の座喜味一幸氏(自民)が質問に立った。座喜味氏は下地島空港から日本航空(JAL)がパイロット訓練を撤退させ、県が同社を相手に維持管理費の負担継続を求めた民事調停の状況について質問した。これに當銘健一郎土木建築部長が答弁し、JALが県に解決金1億7000万円を支払うことで和解したことを明らかにした。同調停議案は、県議会の今定例会に追加提案され、29日の最終本会議で議決される。
當銘健部長は同調停案について、①JALは解決金として県に1億7000万円を支払う義務がある②パイロット訓練使用料の覚書は調停成立日で解約③県はJAL所有の訓練施設と乗員宿舎の無償譲渡を受ける④県は下地島空港施設株式会社の株式譲受先をあっせんする⑤JALは下地島空港周辺地の所有権を主張しない-との内容について説明した。
座喜味氏が離島振興に関連して県が実施している農林水産物流通条件不利性解消事業の申請状況についてただしたのに対し、知念武農水部長が答弁し、昨年8月から事業を開始し約億円の補助金交付を決定したとして、申請に基づく出荷計画量は沖縄本島地区47団体(90%)、宮古地区14団体(8・6%)、八重山地区14団体(1・4%)の計75団体であることを説明した。
再質問で座喜味氏は「不利性解消の事業スキームは鹿児島までの輸送費相当額を補助するとしているが、離島地域の農業振興に資するのであれば、品目を限定せずもっと大胆な取り組みをしてもらいたい」と訴えた。これに知念部長は「農業振興ということであれば、スキームを再検討して国に要望してもよいと考えている」と述べ、事業スキームを見直す考えのあることを示した。
座喜味氏はスカイマークが那覇-宮古路線を運休することに伴い、他の航空2社が航空運賃を値上げすることを発表したことに対する県対応をただした。これに謝花喜一郎企画部長は「離島交通等コスト軽減事業を適用し、住民の負担軽減を図っていきたい」と答弁した。
また、座喜味氏が高校のない離島市町村の児童生徒の就学支援で2015年度に開所を目指す寄宿舎機能を備えた「離島児童生徒支援センター」について再質問で、「高校のある宮古島市などの離島からの生徒は使えないのか」とただした。これに大城浩教育長は「寄宿舎には定員枠があるが、まったく使えないという訳ではない」と述べ、宮古島市の児童生徒対象とするよう検討することを示唆した。