圏域住民念願かなう/平良港再編整備計画が始動
宮古島市や商工会議所、海運会社などが2009年以来、国に要請してきた平良港の耐震構造ターミナル整備工事が、16日、着工した。国が整備する耐震岸壁は水深7・5㍍で、延長が220㍍。埋め立てる用地が約2・2㌶。市は埠頭用地約3・1㌶の埋め立てや、臨海道路244㍍、緑地約2・6㌶などの整備に取り組む。同事業の水面埋め立てで埠頭用地はかなり広くなり、荷さばきが安全で効率化する。
宮古に入る石油製品や生活物資の99%は平良港を経由するなど、同港は宮古圏域の物流拠点の機能を担いう。
耐震バースの整備を求める声は、阪神・淡路大震災(1995年1月17日)の時に神戸港が一時、機能を失ったのを受け急に高まった。平良港が神戸同様の被害を受けた場合に、緊急物資の途切れが懸念されたからだ。要請理由には県内の重点港湾(那覇、宮古、石垣)の中で、宮古だけに耐震バースないことも挙げていた。
平良港は復帰後、国によって整備され1976年に第3、85年に第2埠頭が完成した。両埠頭は整備から、長年経過し老朽化。年々大型化する船舶にも対応できていない。
平良港に入港する琉球海運の貨物船は、1万㌧前後と大型化。同社の貨物をさばく宮古港運によると、北東風の吹く冬場の接岸は危険を伴うという。風の強い日は那覇に引き返したり、平良港に寄港せず石垣に直行するなど、定期運航に支障を来している。
耐震バースは、北東の方向になるため冬場の季節風の影響を受けにくくなる。宮古港運の砂川恵映専務は「バースが完成すれば、欠航が減り物資の安定的輸送が可能になる」と着工を喜んだ。
耐震バースの整備は、老朽化した埠頭の更新や、クルーズ客船の受入も視野に入れた。
国の事業では今回、耐震岸壁整備工事が着工した。平良市が行う埠頭用地埋め立ては13年度、緑地整備は14年度に着工する。