小麦、黄金色に実る/コンバインで収穫作業
来間島の国仲さんが栽培
来間島で小麦が黄金色に実り26日、自脱型コンバインで収穫・脱穀した。青空の下、住民らが手伝い、約50年ぶりの豊作を喜んでいた。小麦は、イネ科の越年草。元来間小中学校長で来間島に住む国仲登美男さん(61)らが昨年11月、約20㌃に種まきした。その後、天候に恵まれ、高さ1㍍ほどに成長。今月から黄金色に成熟し始め、穂がこうべを垂れた。
この日の刈り取り前の麦畑では春風がそよぎ、小麦は波打っていた。コンバインは外周から刈り取りながら脱穀した。小麦の一部は残され、後日手刈りされる。
国仲さんは「まだ収穫量は分からない。収穫した麦は、みそ用の麹に使ったり、茶請け用のはったい粉(もみを炒って挽いた粉)を作り、それを黒糖に混ぜて食べる計画を立てている」と述べ、額の大粒の汗をぬぐった。
住民の砂川輝夫さん(76)は半世紀ぶりに収穫に立ち会い、脱穀後のもみを手にした。「出来具合は上等だ。これから手刈りされる麦わらを乾燥させ、麦わら帽子を作りたい」と麦わら帽子再現に意欲を見せる。
来間島地域ふるさと活性化推進協議会(大浦邦夫会長、会員13人)は、小麦の栽培・収穫に協力した。
大浦さんは「会員でもみを原料にした発酵食品のメニュー開発・研究に取り組みたい。大きな目的は、発酵食品による地域活性化」と期待を込めた。
また「麦わらを使って納豆を発酵させたいという人もいる。小麦の活用は多彩」と語っていた。