バイオ・リン製造施設完成/宮古総合実業高
販売目標年2000万円/経営型学校運営目指す
宮古島の地下水保全を目的に宮古総合実業高校環境工学科の環境班が開発した「Bio-p」(バイオ・リン)を製造する堆肥製造実習棟が27日、同校第2農場で完成した。製造開始は、バイオ・リン発酵装置やロボット袋詰機などの内部設備が整い次第、今年10月ごろになる見通し。1袋15㌔入りで、価格は300円と安い。年間の生産は1000㌧、2000万円の販売を目指す。
バイオ・リンは、15年前に開発したが、人気が高く製造が追い付かなかった。環境班が2004年にストックホルム青少年水大賞を受賞したのを機に、県や国に本格的施設の建設を要請。その後9年目に、夢実現となった。
環境班を指導する前里和洋教諭は、「経営型学校運営の可能性が見えてきた」と感無量の様子。目玉設備と位置づける「分析・講習室」に関しては、「製造したバイオ・リンの分析を通して生徒たちは、分析力や判断力、考える力が身に付く。この力は、進路に役立つ」と強調した。「同施設は、地下水保全啓蒙の拠点施設になり得る」と多面的活用が可能なことも示した。
同施設で製造するバイオ・リンは、土壌内に蓄積されるリンの再利用機能を有する有機肥料。同肥料は地下水保全に役立つだけでなく、資源として世界的に底を突きつつあるリンの再利用を可能にした点でも、世界的に注目を集めている。
同班はバイオ・リンを畑に施すことで、化学肥料の施肥が少量でも農作物の生育が促進されることを実証し、高い評価を受けている。
施設の建築面積は584平方㍍で事業費は約1億2500万円。昨年10月26日に、着工した。
内部設備は全部自動化され、生徒たちの作業は計器のチェックが中心になるという。