「離島の産業崩壊する」/県議会
TPP交渉反対を採択
【那覇支社】県議会(喜納昌春議長)2月定例会は29日、最終本会議を開き、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に反対する意見書を全会一致で採択した。政府が4月28日に「主権回復の日」を記念する式典開催に抗議する決議を、議場から退席した自民を除く全会一致で可決した。意見書、抗議決議ともにあて先は内閣総理大臣、内閣官房長官。
TPP交渉参加に関する意見書は「参加すれば、農業だけでなく、食の安全、医療、金融、保険など国民生活のあらゆる分野に甚大な影響を与える恐れがある」と強調。「サトウキビを主な産業にしている離島においては、産業の崩壊が地域崩壊へとつながり、そこに住むことすら困難になってしまう」としてTPP交渉への参加を行わないよう要請している。
主権回復記念式典への抗議決議は「安倍首相は国会でサンフランシスコ講和条約の発効で我が国の主権は完全に回復したと述べているが、その日をもって日本から切り離された沖縄はその主権下になかった。ゆえに4月28日は沖縄の人々にとって『屈辱の日』にほかならない」と指摘。その上で「沖縄が切り捨てられた『屈辱の日』に『主権回復の日』としての政府式典を開催することは沖縄県民の心を踏みにじり、2度目の沖縄切り捨てを行うものであり、到底許されるものではない。式典開催に反対し強く抗議する」としている。
下地島空港でのパイロット訓練から撤退した日本航空が、県に1億7000万円の解決金を支払うことで合意した調停議案や過去最大となった総額6988億円の2013年度一般会計予算案もそれぞれ可決した。