建設・運営考える会発足/新食肉センター
会社や市に要望提案へ 超党派議員で構成
宮古島市議会(平良隆議長)の超党派議員で構成する「食肉センターの建設・運営を考える会」が4日発足し同日、第1回「勉強会」を市役所平良庁舎で開いた。懸案となっている建設場所や運営などについて調査や情報を収集し、意見を取りまとめて同センターや市に提案する方針。呼び掛け人で、座長を務める垣花健志氏は「食肉センターや市、付近住民の意見を中立な立場で聞きたい。結論を出すのではなく、要望として提案できれば」と趣旨を話した。26日には石垣市が運営する食肉センターを視察する。
同センターの建て替えは、老朽化した施設の修繕費が増えて経営を圧迫していることへの対応や、消費者への安全・安心な食肉の安定供給のために急務となっている。着工は2013年度、供用開始は14年度を目指している。
移転先は、現在の場所(平良下崎)から上野野原の市有地(旧家畜セリ市場、面積約3000平方㍍)に予定されているが、隣接する野原、山中、野原越の各自治会が「迷惑施設」などとして反対している。
この日の勉強会では▽計画されている場所への建設は適切か▽地下水への影響はどうか▽反対住民の意見-などについて、資料を基に意見を交わした。
また、同センターの池間等志社長から事業導入の経緯や同社の運営、財政状況、今後の方向性などについて意見を聴取した。
議員からは「住民との合意形成をどう図るか」「他に建設する予定地はないか」などの質問が出された。
これについて池間社長は「付近住民は、施設の建設には理解を示すものの『迷惑施設』との観点から、再度の説明会開催にも応じてもらえない」と話し、合意形成に向けては厳しい状況を説明。他の場所への建設については「現在の場所も含めて検討したが、計画している場所が一番最適である」と述べ、計画の変更は考えていないことを強調した。
池間社長は「市が場所の選定から建て替えまでを行い、指定管理者制度を導入すればベターである」と述べると、出席した複数の議員から賛成の意見があった。
勉強会は4月、5月の2カ月間集中して行い、「考える会」の提案を取りまとめる方針。市議会事務局によると、市の課題に対し超党派の議員で解決に向けての糸口を探ろうという動きは初めてという。
宮古食肉センター 1982年8月に、当時の精肉業者で構成する船倉株式会社を買い取り、第3セクターで開業。その後、と畜頭数の大幅な減少に伴い、経営が悪化。94年には存続対策協議会が設置され、各市町村(当時)と県農業協同組合などの関係機関が赤字分を補てんするという形で運営が存続されてきた。しかし、依然として経営改善は図られず、2009年には第4次(10年~14年)の経営継続負担金が決定され、宮古島市が約1200万円、県農業協同組合が約250万円を負担している。新食肉センターの建設費は概算で6億2600万円で、事業費の90%が補助対象。会社負担は6260万円。このほかにも現施設の解体工事に650万円かかり、これはすべて会社負担となる。