今年は10チームがキャンプ/大学、高校、社会人野球
温暖、複数の野球場魅力/課題は施設整備の充実
アマチュア野球チームが今年、宮古島市で春季キャンプを行ったのは計10チーム523人だったことが宮古島観光協会のまとめで分かった。温暖な気候と複数の野球場がある環境が魅力となっている。近年では陸上競技やマラソン、自転車、サッカーなどあらゆる種目のキャンプ地として利用されている。課題は、スポーツ施設の整備など受け入れ体制の充実だ。
今年キャンプを行ったのは大学6、高校3、社会人1。特に大学野球チームは18年前から実施されており、プロ野球オリックスのキャンプとともにすっかり定着している。
高校は3校が実施。中でも、浦和学院(埼玉)は今年の選抜で優勝し、宮古島でのキャンプの成果を発揮した。
課題は、キャンプが1~3月に集中することやオリックスのキャンプとも重なることから日程の調整や野球場の確保が困難な事だ。
今年は社会人野球のパナソニックなど、複数のチームが宮古島でのキャンプを打診してきたが、球場の確保が難しく断念したという。
球場は市民、下地、城辺、宮高、市営の5球場を使用しているが、宮高と市営の両球場はグラウンドの土や芝生の管理などが十分ではなく、キャンプ地としては物足りないのが現状だ。
宮古島観光協会の平良勝之副会長は「宮古島はオリックスのキャンプ地として知名度があるが、各種スポーツのキャンプ地としても最近、脚光を浴びている。テレビなどで全国に報道されると宮古島でキャンプをしたいというチームはこれからますます増えるはず」と波及効果に期待。「まずは既存のスポーツ施設の整備を十分にし、どの施設も練習に適しているということが重要」と話す。
平良副会長は、伊良部島にある平成の森公園内の野球場の整備を図れば、大橋開通後にはさらに野球チームを誘致することができるという。
市民スポーツ課によると宮高を除く4球場の維持管理費は年間約1000万円。施設の老朽化に伴い、毎年の維持管理費は増加傾向だ。
加えて、毎年来る台風の被害にも対処しなければならない。同課では「市の財政状況は厳しい。チームや選手たちの要望には応えたいが、どれもこれもではなく、優先順位をつけて対処していきたい」と話している。