生産から商品開発、販売まで
市、南国食楽、沖縄製粉が連携/宮古島産かんしょ6次産業化で
【那覇支社】宮古島市が昨年度から取り組んでいる「宮古島産かんしょ6次産業化プロジェクト」で、下地敏彦市長は11日、宮古島産イモの1次加工を行う南国食楽Zu(宮城正明社長)、2次加工を行う沖縄製粉(竹内一郎社長)とともに那覇市内で会見し、3者で宮古島産イモの原料生産から1、2次加工、商品開発、販売までを連携して取り組んでいくことが決まったと発表した。南国食楽Zuはこれまでイモペースト中心に販売していたが、沖縄製粉が2次加工段階でパウダー(粉末状)にすることで、県内外の優良メーカーをはじめ香港・台湾などの海外にもシェアを拡大するとしている。
同プロジェクトは宮古島産紫イモを6次産業化戦略品目として位置付け、「おいしい、健康に良い」をキーワードに農作物の生産拡大と、イモを原料にした商品開発、消費拡大を狙いとして事業化した。同6次産業化基本方針に基づき、現在の年間生産量約200㌧(出荷量120㌧)を2021年度までには現在生産量の約10倍以上に相当する2100㌧にまで拡大し農家生産高も2億7300万円を目指す。
会見で下地市長は「宮古島の農業はサトウキビが主体で、台風被害を受けた場合のダメージが大きい。栄養価の高い紫イモの生産と組み合わせ農業振興を図り、新たな特産品としてイモプロジェクトを推進していきたい」と述べた。
2次加工を担う沖縄製粉の竹内社長は「プロジェクトの一員なり、販売総代理店という大役を頂いた。沖縄の良品を県内だけでなく県外、海外へという本社の方針に結びついた。技術を生かして農家が生産したものを無駄にしないように販売していきたい」と述べた。同社では「パウダー」の生産販売のほか、パン、乾麺をユーザー先に提案し販売していく方針だ。
また、1次加工(ペースト)と菓子類を中心に商品開発を行っている南国食楽Zuの宮城社長は「全国のバイヤーや食品業界でも宮古イモの評価はものすごく良い。イモを使った物作りで宮古の農業も前進すると思う」と述べた。
3者の役割として市は農家の取りまとめや指導を行い、沖縄製粉では2次加工生産と商品開発、販売総代理店を担う。また、南国食楽Zuではペーストを中心とした商品開発を行うことになっている。