宮古独自の泡盛開発へ/商品化にめど、副市長に報告
多良川 島原生酵母を使用
多良川(城辺字砂川)の砂川拓也社長らが11日、市役所平良庁舎に長濱政治副市長を訪問。同社が現在、宮古島に原生する酵母を使った「宮古島オリジナル泡盛」の開発に取り組んでいること、その商品化に向け一定のめどが付いたことを報告した。
報告に訪れたのは、砂川社長のほか、独立行政法人酒類総合研究所醸造技術応用研究部門の藤井力副部門長、同研究所研究企画知財部門の葉田昇平主任、元りゅうせきバイオエタノールプロジェクト推進室長で現在は宮古島新産業推進機構代表理事の奥島憲二氏の4氏。
今回の宮古島オリジナル泡盛の製造に使われている酵母は、2007~12年度に環境省による「エコ燃料実用化地域システム実証事業」として、りゅうせきがサトウキビからバイオエタノールを製造するプラント開発の取り組みの中で発見された。
共同研究を行っていた酒類総合研究所の分析の結果、その酵母がエタノール製造だけでなく泡盛製造にも適していることが判明。エタノール製造の実証と並行して、1年半前から多良川で同酵母を使った泡盛の開発が行われてきた。
砂川社長は長濱副市長に、同酵母を使った泡盛が良い仕上がりとなってきていて、商品化できることがほぼ確実になったことを紹介。きょう12日に那覇で会見を開き記者発表することから、その前に報告に訪れたことを説明し、「この酵母は、多良川酒造所近くの製糖工場で発見された。地元産酵母を使った商品となれば宮古島産のキーワードで、ほかと差別化を図ることができる」との思いを語った上で、2年後の商品化を目指す考えを示した。
奥島代表理事は「酵母が生まれた由来が、酒造所があることに関係しているかもしれない。島興しへおもしろいストーリーを作ることができる」と同酵母を使った商品開発を行うことによる宮古島への経済効果に期待を寄せた。
長濱副市長は「バイオエタノールからこんな話に広がるとは夢のある話。ストーリーがあっておもしろい」と語った。