市民、「39年の計」見守る/伊良部大橋
夢の大橋連結「感無量」/見学会場に大勢の人
伊良部大橋主航路部の最中央桁架設工事が行われた16日、伊良部大橋建設事務所の見学会場には大勢の市民が訪れた。下地敏彦市長、長濱政治副市長、下地康教建設部長ら市三役と幹部職員、當銘健一郎県土木建築部長らが中央桁の架かる瞬間を見守るために建設現場を訪れた。1974年の旧伊良部町陳情要請から39年、「夢の大橋」連結に会場は「感無量」の声が響いた。
中央桁架設工事を見守る市民は、すでに工事を完了している橋面上見学会場以外のトゥリバー地先などにも大勢が集り作業の様子を眺めていた。
最中央桁がクレーン船から降ろされる作業を開始した午前11時過ぎ、下地市長、長濱副市長らは作業の様子をつぶさに眺めていた。
下地市長は「宮古島市にとっては、まさに歴史的な瞬間、感無量だ。橋がつながることで、伊良部島に住む住民の暮らしぶりが格段に良くなる。土地改良事業も急速に進められ、下地島空港残地の利活用も県と調整しながら進めていく。伊良部が豊かな島になり宮古全体の発展につながることを確信する」と述べた。
県事業の橋梁架設に立ち会うのはこれで3度目だという長濱副市長は「開通に向けてのラストスパートということで感激している。これまで経験したどの橋梁架設よりも最大級のものを見ることができ、また、それに立ち会うことができ感慨もひとしお。完成を心待ちにしている」と述べた。
下地建設部長は「この橋が完成することで宮古圏域に一体感が生まれる。きょうは市にとって非常に意義深い日だ」と話した。
元県土建部職員で浦添市に住む平良英行さんは、この日を見守るために見学会場を訪れた。国の着工準備制度を活用して建設計画を推し進めたことなどを説明し、「この橋の建設事業は地元の熱意で成り立っているようなものだ。宮古の情熱が注がれた橋の完成を楽しみにしている」と話した。
今年から宮古土木事務所で勤めているという平良佳央里さんは「昨日から見学会の電話問い合わせが殺到した。いかに市民の関心が高いかがうかがえる。島の人たちに不足しているものを橋が満たしてくれるという意味でも夢の大橋だ」と話していた。建設現場事務所によると同見学会の申込者数は282人だった。