「さび病」が拡大傾向/サトウキビ
品種分散で危険回避を
サトウキビの新植夏植え圃場で「さび病」が拡大傾向にある。葉の表裏にできる大小の病斑が特徴で、病葉は赤褐色に変色して枯れたように見える。他県の調査などから、さび病が生産物の収量や品質に大きな影響を与えるという被害情報はない。ただ、糖業関係機関では、対策として抵抗性品種を植え付けることや複数の品種を植えて危険を分散するよう促している。
県病害虫防除技術センターによると、さび病は窒素過多や風通しの悪い圃場などで発生するとされ、国頭マージ、島尻マージ地帯で多く見られる。病斑は葉の表裏で発生するが、特に裏面で顕著に表れる。夏胞子は飛散して広がるため多発圃場では全体的に赤褐色の葉が目立つ。
防除法は▽窒素肥料の加用を避けること▽発病した株は使わない▽下葉を剥葉して風通しを良くする-などがあるが、植え付け後の有効な対策は特にない。
さび病が収穫物へ与える影響が懸念されるところだが、鹿児島、沖縄の両県ともにさび病によって大きな被害を受けたという例はないため、関係機関では冷静な対応を呼び掛けている。
一方で品種が偏っていく傾向を懸念。宮古地区では現在、農林27号の植え付け構成比率が高く、宮古本島内では50%を優に上回っているのが現状だ。工場関係者は「品種が偏り過ぎると病気が発生したときに一気にまん延する可能性が大きくなる」とし、次回の植え付け時には可能な限り複数の品種を植えて危険を分散するよう促している。
さび病は宮古各地で発生しており、農林27号での発生が目立っている。